フェルトをはじめる ex.2
社会福祉法人 花水木の会が運営する
焼き菓子のお店 かすたねっとさん(東京都練馬区)
かすたねっとさんについては、はやしがご紹介を書くより、ぜひホームページを。
http://casta.jp
…のお店に並んでいるフェルトex.1のアナザーサイドがこちら、ex.2。
当初は私、フェルトはウォーターフェルトで実用的なものづくり一本でゴリゴリ行こうと思っていたのです。
手芸の範疇にあるような、いわゆるハンドメイドのマーケットに並ぶフェルトをつくることに否定的でした。
正直に言いますと、利用者さんの作業の手や、お手本を見ながら練習で作ったものを見て、
それは難しいと感じていました。
けれども「いろいろやってみてほしい」「ニードルフェルトもできると思う」
「企画しないでください」(え!いいの?)というお話もあって、
じゃあ…と利用者さんたちと相談しながらいろいろはじめてみることにしました。
結論からいうと、やってよかった。
自由制作をはじめるとき、フェルト担当の3人の利用者さんたちに
どんなの作りたいですか?と聞いたら「かわいいのがいい」と言われたのですね。
全員に。話を深掘りすると、動物がいいとか、お花が好きとか。
それで、うんうん、つくってみましょうかってつくったら、こうなりました。
思ってたんとだいぶ違う(いい意味で)
なりゆきやエピソードなど、くわしくは三者三様のページへ。
1 ■ いろいろなフェルト - 見渡すかぎり花(Hさん) -
2 ■ いろいろなフェルト - ポップなアイコン(Eさん) -
3 ■ いろいろなフェルト - そのへんのどうぶつ(Tさん) -
なんでしょうね。再現性とか、マーケットがどうとか、ちょっと馬鹿馬鹿しくなっちゃって。
や、そういうことが必要だと思う気持ちは変わらないんですよ。
たしかな目的を持って、たしかなものを作って売る、
それはこれまでに職人と呼ばれる人たちの、たしかな仕事に触れてきた私の中の芯です。
ただ、福祉にはそれまでの私が知らなかった価値観がありました。
利用者さんと一緒に売りものではないものを作って、自由でつかみどころのない時間を過ごす、
そこに価値を見出す視点です。
仕事の中にそのような時間があることを「良し」とできるのは、福祉の強みかもしれません。
自由な制作を通してフェルトが好きになり、磨かれた技術がお店の売りものに還元される、
そういう流れを作れたように思います。
*フェルト製作班 左から Tさん Hさん Eさん
と、同時に利用者さんの制作物にはとても深く大きな問いかけがあることに気付かされます。
それはまた追々。